顔がこわい!と話題になるハビエル・バルデム。普段の顔は、目鼻口のパーツひとつひとつが濃い男性ホルモン満載のラテン系色男です。奥さんのペネロペ・クルスの小顔と比べられ、さらに大きさを強調させられるハビエル・バルデムの顔ですが、ハビエルバルデムの顔の迫力は大きさだけでも怖さだけでもありません。今回は4つの作品から、ハビエル バルデムの顔の演技の振り幅を見てみましょう^^!
ハビエル・バルデム、顔と髪型が不気味すぎ!『ノーカントリー 』の殺人鬼シガー!
ハビエル バルデムは、出演する全ての作品で顔と演技力が話題になりますが、わたしがトラウマ級だと思ったハビエル バルデムの顔は『ノーカントリー』(2008年公開)の殺し屋シガー役です!
2007年度のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞の4冠に輝いた『ノーカントリー』。ハビエル・バルデム演じる殺し屋シガーには、顔だけでなく、おかっぱの髪型にも目を奪われます。
ハビエルバルデムは殺人鬼シガーのおかっぱ頭について、『ノーカントリー』公開直前に来日した際に、
「劇中のおかっぱ頭は、トミー・リー・ジョーンズが持ってきた写真から着想を得て監督が決めた。
撮影中は最悪の髪型の自分を見るのが苦痛だった……」
と冗談を交えて語っていました。
序盤に後ろ姿のハビエル バルデムが登場するシーン。まず、さっくり切り揃えた襟足に異様さを感じるのですが、やがてハビエル・バルデムの顔がはっきりと映ると、その強烈な不気味さに鳥肌が立ちます。そして何故か、その顔を何度でも見たくなってしまいます!
顔と髪型だけでも十分なハビエル・バルデムの異様さですが、より完璧な殺し屋の役作りのために動作にもこだわったそう。
このことについてハビエルバルデムは、
「スクリーンにシガーが現れた瞬間、観客にギョッとしてほしいというか、この人は何か違うという居心地の悪さを感じてほしいと思ったんだ。
(中略)
人を殺すときは的確な動きで素早い行動をとるけれど、例えば水を飲むといった日常生活の動きはスローというように、仕事(殺し)と日常生活がシンクロしていないキャラクターを作り上げたんだ」
と、やはり演技に細心の注意を払ったことを語っていました。
ところで、映画の役ではなく実際の顔の迫力について、ハビエル・バルデム本人は、
「観ているみんなは恐いだろうけど、演じている僕自身は全然恐くない(笑)。
そう言えば日本に来るときの飛行機で隣の人がちょうど『ノーカントリー』を観ていたんだ。
目のあたりまで毛布をかぶって恐がっているから、少しでも愛想よくしようと思ってニコっと笑いかけてみた。
そしたらもっと恐がっちゃったよ(笑)」
と、顔の存在感が本物であるエピソードを語っていました^^!
わたしにとっては、『ノーカントリー』のハビエルバルデムの背筋の凍るような不気味な微笑みは、待ち受け画面にするほどお気に入りです^^♡
ハビエル・バルデム、顔と金髪の違和感が恐ろしい悪役!『007 スカイフォール』
『007 スカイフォール』(2012年公開)は、悩み傷つき、完璧ではない人間らしさのジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグが話題になりました。
でも、わたしが一番目を奪われたのは、ハビエル・バルデムの『クドすぎる』くらいに濃い顔です!
『007』シリーズでは歴代の個性的な悪役が顔を揃えていますが、中でも『007 スカイフォール』のハビエル バルデム演じるシルヴァのインパクトは、顔や容姿からも抜きん出ています。
まず、ハビエルバルデム演じるシルヴァの『真っ黒で大きな瞳に金髪の髪と眉』という違和感から始まり、徐々に真っ白な顔、顔そのものの大きさ、一つ一つのパーツの大きさに目が離せなくなってきます。
違和感満載のハビエル・バルデムの顔に、観る人は怪物的な印象を刷り込まれていき、終盤のハビエル・バルデムが入れ歯を外し顔が変形するCGのシーンでは、変形する顔の不気味さもすんなり受け入れられる心境になっているほどです。
でも、ハビエル・バルデムの顔に映画ファンが釘付けになった理由は、顔そのものの気持ち悪さではなく、ハビエル バルデムの役作りにもあったようです。
ハビエル・バルデムは、悪役シルヴァというキャラクターの目的について、
「なにか一つこうしたというのではなく、言動すべてに居心地の悪さが滲み出るように心がけた。
シルヴァはどんなレッテルも張ることのできない、自由な存在でもあるんだ。
その自由を使ってボンドを非常に居心地の悪いところに追い詰めていくんだよ」
と、出会った人々に『不快な状況』を作り出すことだったと語っていました。
また違和感のある金髪は、ハビエル バルデムと監督サムとの話し合いの中で生まれたのだそう。
このことについてハビエル バルデムは、
「まず、サムと話し合いをした結果、金髪にしようということになったんだ。
というのは、今回のボンドの敵はとにかく居心地が悪い、思わずむずむずしてしまうような、そういう居心地の悪いものにしようということになってね。
アグレッシブであっても、怖さであってもいい、どんな居心地の悪さでもいいから、とにかくシルヴァをそういう存在にしたいと思ったんだ」。
と、違和感のある金髪は計算されたものだったことを明かしていました。
確かに、ハビエルバルデム演じるシルヴァを初めて見た時から、ラテン系の濃い顔に金髪、ねっとりとした話し方、歩き方にわたって、形容しがたい『居心地の悪さ』を感じます。
わたしは、ハビエル・バルデムの顔から滲み出る『何かが気持ち悪い』という印象が、綿密な役作りで生み出されたということに、ハビエル バルデムが演技派と言われる所以を感じましたよ!
ハビエル・バルデム、顔の演技力は必見!若い頃の傑作『海を飛ぶ夢』
ハビエル・バルデムの顔を語るなら、忘れてはいけないのが『海を飛ぶ夢』(2005年公開)です。若き日のハビエル・バルデムは、顔から下が動かない障害を持つ主役を顔の表情だけで演じています!
ハビエル・バルデム演じるのは、若い頃に浅瀬に飛び込み、脊髄を損傷し顔から下が機能不全になる主人公ラモン。以来26年間、家族の看病や周りの温かい支えの中で暮らしていたラモンですが、『尊厳死』を願うようになります。
そして、キリスト教文化のスペインで非合法である『尊厳死』を認めてもらうための裁判を起こすものの叶わず、最後は自殺した実在の人物を描いた作品です。
『海を飛ぶ夢』は『尊厳死』をテーマにした深刻な内容であるにも関わらず、ハビエル・バルデムの豊かな顔の表情と知的な演技力によって悲壮感を感じさせず、新しい体験と喜びを味わうラモンに寄り添う気持ちで観ることができます。
『海を飛ぶ夢』の公開当時、ハビエルバルデムの『禿げて老けた顔の特殊メイク』も話題になりました。しかし、やはり見どころは、世界一の俳優といわれていたハビエル バルデムの圧巻の演技です!
1969年生まれのハビエル・バルデム、『海を飛ぶ夢』撮影当時の年齢は35歳!特殊メイクの域を超え、本当に年齢を重ねたように見える顔は、実はハビエル・バルデムの演技力によって実現しました。
顔しか動かせない役のハビエル・バルデムは、顔だけで悲しみを押し殺した深い感情や、苦しみの末に行き着いた穏やかな愛を表現しています。
この顔の動きだけで年齢と感情を表現する演技は、相当な実力派の俳優じゃないと務まらないはず。やはりハビエル・バルデムにしかできなかった、ハビエル・バルデムの演技と存在があってこその、映画『海を飛ぶ夢』となったようです。
映画ファンからは、実話に基づいたシリアスな内容にだけではなく、
ハビエル。こんな、素晴らしい役者だったんですね。
ノーカントリーの、変態おかっぱ男と、同一人物とは、思えない。神です。うますぎる。
ハビエル・バルデムなんだと見終わってから気付いた。凄い表現力だなー
最も神に近い俳優さんの一人じゃないかと思っている。
ラモンを演じたハビエル・バルデムに尽きる一作。
顔しか動かせないラモンの表情と言葉だけで作品を牽引するその演技力は、やはり彼しか務まらないと思えるレベル。
と、ハビエル・バルデムへの称賛の声も多く上がりました!
ちなみにスペインでは『海を飛ぶ夢』の影響もあり、実話の事件から20年以上経った2021年にようやく安楽死が合法化されました。卓越したハビエル・バルデムの顔の演技力が、尊厳死合法化に貢献したのかもしれません。
わたしは、『海を飛ぶ夢』は考えさせられるテーマだけではなく、ハビエル・バルデムの顔の演技だけでも一見の価値があると思います!
ハビエル・バルデム、顔の大きさが悪役を演じるコツ!『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』で、主人公ジャックの敵、サラザール船長を演じたハビエル・バルデム。顔が怖すぎ!と話題になりました。
ハビエル・バルデムが演じるのは、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウに復讐を誓う、海の亡霊サラザール。独特の白塗りの顔のメイクは、毎日3時間かけていたそう。
普段のハビエル・バルデムの甘い顔と比べると、
確かに海のゾンビのような顔です。
実は、海の亡霊サラザールの顔には演じるハビエル・バルデム本人も驚いたそう。
ハビエル・バルデムは、製作者ジェリーとのやりとりについて、
「ジェリーは最初、こういったんだ。
(サッカー選手の)ロナウドもぶっ飛ぶホットでセクシーな役だって。
映画は『パイレーツ』だし、そういわれて断れるわけがない。ところが、送られてきたイラストを見てびっくりさ。
ホットどころか、むちゃくちゃ気持ち悪かったんだよ!」
と語っていました。
ハビエルバルデムが演じたことで、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの中でも強烈な個性となった悪役サラザールですが、ハビエルバルデムに悪役を演じるコツを聞くと、
「顔の大きさだよ。自慢じゃないが、私の顔はハリウッドでも3本の指に入るほどデカい(笑)。
顔が大きければ、それだけで他者を圧倒出来るというのが私の持論なのさ!」
と自虐的に、大迫力の顔を突き出しながら語っていました^^!
ハビエル・バルデムの顔については、映画ファンからも、
特に、ジャックを追いかけて海を走ってくるシーンでは、スペインなまりで迫ってくるバルデムの顔に爆笑してしまいました!
この映画で、一番爆笑したポイントです。
と、顔に釘付けとなったコメントや、
今回、ジャックを追う海の死神サラザールを演じているハビエル・バルデムの存在感。
迫力あります。
今回の悪役、サラザールを演じたハビエル・バルデムの演技は圧巻。
ビジュアルも怖いし鬼気迫る演技も最高にカッコよかった。
と、迫力の演技について言及したコメントが上がりました。
わたしは『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』では、白塗りの亡霊になる前の若い頃のサラザールの顔も見どころだと思います。
スペイン艦隊の艦長の衣装をまとったサラザール役のハビエル・バルデムの顔には、貫禄や威厳といった堂々たる風格がだけではなく、ラテン系のロマンティックな雰囲気を見ることができますよ^^♡